奇祭「芦生わさび祭り」 京都美山

 わさび祭りは芦生三大祭りの一つで、数百年前から続いているといわれています。芦生の三大祭りとは、「わさび祭り」、夏の夜に火防の神と言われる愛宕の神への献燈として、無病息災と五穀豊穣を願う「松上げ」、12月初めから半ば過ぎまで山神に感謝する「山の口」という3つの祭りがあります。わさび祭りは毎年4月10日に地区の氏神である芦生熊野権現神社で行われています。神前にわさびを供えることからわさび祭りと呼ばれています。

 芦生地域で山仕事を生業とする人々が雪で仕事のできない冬季に熊狩りで生計を立てていました。人々は狩りの安全や豊穣を祈り、正月から4月10日までの間わさびを食べない「わさび断ち」を行い、祭りの後からわさびを食べることができるようになります。神社で祝詞奏上の後、村人たちが拝殿の周りをまわりながら小石を本殿へ奉納するお百度参りが行われます。

 神社での神事が終わると神前に供えられたわさびが参加者にふるまわれます。この時ふるまわれるのがわさびの醤油漬けです。わさび祭りは民俗学者として有名な柳田国男の著書『柳田国男全集29』で丹波波知井のわさび祭りとして紹介されています。